AI時代の集客とは何か? ゼロクリック時代の集客はPVではなく接点作り

僕たちはウェブサイトをあまり見なくなった
長い間、マーケティングで「集客」といえば、「自社のウェブサイトに人を呼ぶこと」を指していました。ところが僕たちはどんどんウェブサイトを訪れなくなっています。普段の情報収集を思い返してみてください。情報の受け手として、次のような「リンクを踏まない日常」を実感されている方は多いのではないでしょうか?
検索エンジン ── 検索エンジンで調べ物をしても、AIの要約回答で知りたいことが完結し、青いリンクを一度もクリックせずにブラウザを閉じる。
SNS ── タイムラインを見ても、外部URLが貼られた投稿はアルゴリズムでリーチが落ち、誰もがそのプラットフォーム内で完結するコンテンツを求めている。
AIチャット ── 回答を見て、納得するまで追加の質問をし、情報源になったURLを見に行くことなく、AIの回答に納得できたところで対話を終える。
YouTube ── 動画を見て、場合によっては関連動画を見て、納得できたまたは飽きたところで視聴を終える。動画で示された情報源を当たることがないどころか、そもそも情報源が示されない動画も多い。
メルマガ ── メールの本文で深い知見が得られるものには目を通すものの、「続きはWebで」とリンクばかりが並んだものは敬遠し、そもそも開封すらしなくなる。
僕たちは長らく、SEOで自社サイトの検索順位を上げ、SNSで自社サイトへのリンクをシェアし、メルマガでは自社のキャンペーンや新着記事に誘導する、ということをしてきました。しかし、AIの普及や、それ以前からの動画の隆盛やSNSのアルゴリズム調整によって、この大前提は崩れています。
リンクがクリックされない時代の集客とは?
では、リンクがクリックされない時代に、私たちは何を「集客」と呼ぶべきなのでしょうか? 僕が考えるこれからの集客とは、「ウェブサイトへの誘導」ではなく、「ユーザーが存在する場所でブランドとの接触を増やすこと」です。
これまでの集客(トラフィック獲得型)── 自社サイトを唯一のゴールと位置づけ、あらゆるチャネルからリンクを踏ませてアクセスを集める。
これからの集客(マインドシェア獲得型)── AIの回答、SNSのタイムライン、ニュースレターの本文、人々のクチコミなど、ユーザーがいる「その場」で接触し、ブランドを覚え、親しんでもらう。
「サイトに来てもらわないとビジネスにならないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、購買の意思決定において決定打となるのは、ウェブサイトのトラフィックではなく、見込客の頭の中でそのブランドを「必要なときに自然に思い出せる」ことです。
この自然に思い出せるブランド群のことを「想起集合」や「エボークトセット」などと言ったりしますが、そういうマーケティングの専門用語は別にどうでもいいです。肝心なことは、自社やその製品やサービスを「必要なときに自然に思い出してもらえるブランド」にする取り組みすべてが現在の集客です。
自然に思い出される状態を作る方法
必要なときに自然に思い出される状態は、利用シーンや関連する悩みなどのシーンと結びついた繰り返しの接触で作られます。見込客が必要に迫られたそのときに自社やその製品やサービスを思いだしてもらうために、様々な場所で繰り返し見込客と接触するのです。その方法として多く使われるのが次のような手段です。